TL小説家のはじめて

初陽(ういひ)……処女だけどティーンズラブ小説家。高校生の頃デビューした耳年増。妄想で書いてる。

樹(たつる)……初陽の幼馴染。たっちゃんと呼ばれる。

 

 部屋の中で向かい合った俺たちは、しばらく何も話さずに正座していた。

 この空間は呼吸の音が聞こえてしまいそうなほど静かで、それが怖さを一層引き立たせる。

 「だから、あたしの初めてを貰ってほしいの。……いつまでも処女じゃ、恥ずかしいもん」

 うつむいた初陽の言葉は、語尾に行くに従い小さくなっていった。

 俺は正直、迷った。

 初陽は可愛い。それは確かだ。高校時代、初陽にラブレターを渡してくれと頼まれた回数は片手では数え切れない。黒いロングヘアに涼しげな目元は男女ともに人気の的だった。

 そんなにモテるのだから、俺は、初陽はもう処女ではないと思っていた。それがまさか、清いままだったとは。目の前の初陽は、肩をわなわなと震わせていた。おそらく恥ずかしいのだろう。誰からも完璧と思われていた、自分自身すらそう思っていたのに、まだ大人になっていなかったなんて。

 俺の手は宙をさまよう。触れていいやら悪いやら。初陽の長い髪に指先が触れそうになったところで、彼女が顔を上げた。

 いかん。目が涙目だ。

 俺は逃げ場を失った小動物のように、視線を泳がせた。初陽と目を合わせたら最後、本当に俺は逃げられなくなる。

 「……お、俺は……っ……ごめんっ!!」

 そう言って、俺は立ち上がる。立ち上がる瞬間に傍に置いてあった本が崩れて、結構大きな音がした。崩れたのは、男女が絡み合う絵が表紙になった文庫本。これまで初陽が全て妄想で書き上げてきた本たちだ。

 「わっ! ご、ごめん」

 崩れた本を積み直そうとして、俺の手が本に触れた。初陽も本を積もうと、俺の近くにやってくる。

 彼女の指先が俺の指に触れて、次の瞬間、戸惑ったように手を引っ込めた。

 「こちらこそ……ごめん。私、変なこと言ったよね」

 「いや……その……」

 初陽は上目遣いで俺を見た。

 やめてくれ。そんな風に見られたら、初陽を女として意識してしまう。

 俺は生唾を飲み込んだ。ゴクリという音は彼女にも聞こえただろうか。

 潤んだ瞳で見つめる初陽を、俺のものにしたい。内なる欲望が湧き上がってきて、気づけば俺は初陽の肩を掴んでいた。

 そして、そっとキスする。

 初陽のすこしぽってりした唇は柔らかくて、温かかった。彼女は身だしなみに気をつける方だと思っていたが、唇までも手入れを怠っていないようだった。ふんわりした感触が心地よくて、俺は何度も唇を押し付ける。初陽の目は恐々と瞑られて、経験の少なさを物語っている。

 「……ん、……っ」

 俺は次第にキスに夢中になってきて、半ば強引に初陽の口の中に自分の舌をねじ込んだ。ぬるっとした感触の舌同士が絡み合うと、脳がとろけそうになる。

 吐息が湿っぽくなってきた。もし今が冬なら、二人分の息が空に煙るだろう。

 「……たっちゃん……っ」

 「初陽、……俺、止まんないかも」

 「いいよ、……しよ? 私の初めて、あげる」

 初陽の言葉選びは完璧だった。さすが官能小説家といったところだろうか。俺はすっかりその気にさせられ、初陽の着ているシャツのボタンに手をかけた。

 一つずつ初陽のシャツのボタンを外していく。ボタンは初陽の豊満な胸のせいで横に引っ張られており、苦しそうだった。それを解放してやると、彼女の白い肌が現れた。

 肌と空色のブラジャーのコントラストがはっきりしていて、肌はより白く見えた。そのブラジャーの肩紐をそっと外し、カップを裏返すと、初陽の乳房が丸見えになる。

 「やっぱり、恥ずかしいよ……」

 「恥ずかしい、って、初陽は初めてを俺にくれるんだろ? これぐらいで恥ずかしがってたら何にもできないよ」

 俺はわざと初陽を意地悪に責め立てた。目の前で震える初陽の乳首にすぐに食らいついてしまいたかったけれど、もうすこし遊んでみることにする。

 「初陽の乳首、ピンク色で綺麗だな。本当に誰にも触られたこと、ないんだな」

 「やめて……」 

 初陽が顔を横に向けて、俺から視線を外した。顔だけ横を向いたって、胸は俺の前に突き出されているのだから結局恥ずかしい格好なのだけれど。

 いよいよ初陽が可愛くなって、俺は彼女の胸に手を伸ばした。ふくよかなふくらみを手で覆うと、支えきれなかった肉がこぼれる。

 そのまま俺は、手に力を入れたり抜いたりして、彼女の胸が手の中で形を変えるのを楽しんだ。

 柔らかな中に芯があって、すこし張っている。

 「あ……っ……ぁ、ぃや……」

 胸を揉みしだくと、先端が硬くなってくるのがわかった。ふくらみを手で覆っているから、乳首は手のひらに隠れている。それでも硬くなっているのがわかって、俺は内心にんまりとした。

 これなら、舐めてやってもいいだろう。

 俺は口を近づけて、初陽の乳首をペロッと舐めた。本当に軽く舐めただけだったのだが、初陽は刺激に驚いたように背中を震わせる。

 「ひゃああっ!!」

 舐めた刺激のせいで、乳首はギンギンに勃っていた。つまめるほどに勃ち上がった先端を、俺は指で弾いたり、舌で舐めたりして遊ぶ。その度に初陽からは可愛い声が漏れた。

 「あぁっ……たっちゃん……っ……おっぱい……きもちいいよぉっ……」

 よく見ると初陽の肩はわなわな震えていて、刺激に耐えているようだった。俺はその態度が愛おしく思えて、もっといじめてやりたくなる。

 舐めていたほうの乳首を、口をすぼめてきゅっと吸ってやった。すると新しい刺激に、初陽は声を高くする。

 「んああっ……! そんなにしちゃ、だめっ……」

 「そんなにしないと、濡れないだろ?」

 「そうだけど……でもっ、あっ、……あぁっ、へんなの……っ」

 変、初陽は快感をそう表現した。

 「おかしくなりそう? なら、俺の手の中でおかしくなっていいよ」

 「……恥ずかしいよぉっ……」

 そう言いながら、初陽は足をもじもじさせた。腰がうずいているのかもしれないと思った俺は、胸から手を離し、腹部にそっと手を這わせる。 

 「こっちも、してほしい?」

 手が初陽のスカートを撫でると、彼女は小さく頷いた。俺はスカートをたくし上げると、その中にあるショーツを探す。

 指にひっかかりを覚えて、俺はそれがショーツだと確信した。その布を掴むと同時に、初陽がすこし腰を浮かす。脱がしやすくなって、ショーツは一気に引き剥がされた。

 目の前に、初陽の秘所が飛び込んできた。誰にも触れられたことのないそこは、甘い香りがして綺麗だった。うっすらと生えた毛が慎ましげに媚肉を隠している。俺は中が早く見たくて、初陽の足を大きく開かせた。

 「初陽、足開いて。初陽の綺麗なとこ、ちゃんと見たい」

 「や……恥ずかしい、見ないでっ……」

 そう言いながらも、初陽は足を開いてくれた。開いた足の真ん中に、サーモンピンクの肉が見える。まだそこは湿っておらず、男を迎え入れることは無理そうだった。

 俺はそこに直接触れることは避け、初陽の真珠を探す。指を割れ目に押し当てると、腹の方へ少しずつ動かして陰核を探った。俺の指が突起を見つける。すぐに見つかったので、俺は真珠を優しく撫でた。

 「っ……ああっ、そこっ……クリ⚪︎リスっ、気持ちいいっ……」

 指が陰核を擦るたびに、腰がわなないた。少し腰が上に浮き、自ら指に陰核を押し当てようとする。まったく、初陽は初めてのくせに淫乱の気がありそうだ。

 試しに俺は、指を動かさずに陰核の上に置くだけにしてみた。するとどうだろう、初陽の腰が勝手に動いて、自ら快感を探し出す。喉からは一人でよがる声が漏れて、まるで初陽がオナニーをしているようだった。

 「たっちゃん……っ、いいよぉっ……初陽のクリ、気持ちいいっ……」

 清純な見た目で人気を博した少女が、今目の前で淫らになっている。そんな姿を見ると、俺は興奮が抑えきれなくなってきた。一刻も早く俺の滾りを挿入したい。でも、初陽は初めてだし、もっとほぐさないとだめだろうか?

 そう思いながら彼女の様子を見ていると、初陽の陰核に押し当てた指が湿ってきていることに気がついた。中から溢れ出した愛液が俺の指を濡らしたのだ。

 「初陽、すっげー濡れてる」

 俺は素直な感想を述べた。こんなことを言ったら、初陽は恥ずかしがるだろうか。

 だが、彼女は意外にも恥ずかしがらなかった。気持ちが乗ってきたのだろうか、艶っぽい声で俺を挑発する。

 「あの、ね……小説書きながら、自分でしてたの……っ」

 「どんな風に?」

 「クリいじったり……っ、あと、……ぁ、中に指、入れたり……」

 だからね、と初陽は続ける。

 「だから、その……もう、たっちゃん、きていい、よ……」

 俺は初陽の秘所を見た。確かに、そこはしとどに濡れている。もう男根を受け入れる準備は万端に見えた。

 けれど指と男のモノでは、太さが全然違う。本当に入るのか、俺は疑問だった。

 「いいの……最初は痛いって、みんな言ってるから……我慢、できるよ……っ」

 その言葉で、俺は理性が飛んだ。

 俺はズボンを乱暴におろし、肉棒をさらけ出した。右手でそれを掴むと、はやる気持ちを抑えるようにしながらも、急いで初陽の秘所にあてがう。

 「本当に、いいのか?」

 「……うん、きて」

 俺は少しずつ、初陽の中に侵入していった。亀頭が入ると、それだけでお互いに苦しくて、俺たちは小さく息を吐く。俺はキツくても構わないのだけど、初陽は痛くてそれどころではないだろう。

 「初陽、体から力抜いて」

 「っ……わかってる、わかってるけど、痛くてっ……」

 やはり、指と肉棒で全然違うようだ。俺はゆっくり腰を進めていったが、そのたびにみちみちと肉の割れる音がしそうで怖かった。

 「痛っ……痛いよ、たっちゃんっ……」

 「ゆっくりするから、我慢して」

 媚肉の抵抗に遭いながらも、俺は肉の杭を打ち込んでいく。体感としてはかなり時間がかかったが、どうにか全ておさめることができた。

 「初陽、全部入った」

 「……ふ、あ。まだ、動かないで……」

 「わかってる」

 正直、動かずとも初陽のキツイ肉に締められているだけで気持ち良かった。初陽の鼓動が脈打つたびに、媚肉もかすかに動く。それが俺を絞り上げるようで、俺の息は自然と早くなっていた。

 しばらくそうして動かずにいたが、俺は少しずつ腰を引いてみる。引き抜かれた肉棒には血が付いていて、初陽が処女だったことを俺に知らしめた。

 「ゆっくり、動いていい?」

 「……ちょっとだけなら」

 初陽のお許しがでたので、俺は腰を動かすことにした。カリ首まで肉棒を引き抜いてから、ゆっくり奥まで貫き直す。最初は初陽も苦しげな声しかあげなかったが、何度か繰り返すうちに声に甘い色が付いてきた。

 「……ぁっ、たっちゃ……っ、はぁっ……」

 少しずつだが、初陽の内壁も緩んできたようだった。締め付けは相変わらずすごいのだが、余計な力が抜けている。腰を動かしやすくなって、俺は調子に乗って抽送のスピードを速めた。

 「だ、だめっ……そんなに、激しくしたら……っ、ぁあっ」

 初陽も気持ち良く感じているようだった。声がとろけそうで、俺は耳を愛撫されている感覚になる。

 腰は動かすたびに媚肉が絡み付いて、まるで「いかないで」と懇願されているようだった。肉襞がぬるぬるしてきて、俺の肉棒にぬめりを擦り付ける。

 「くっ……初陽、気持ちいいよ……っ」

 「あっ、私もっ……だんだん、よくなって……っ」

 初陽が気持ちいいと言ったことで、俺は理性のタガを外した。もう欲望のままに動いてもいいだろう。

 腰が激しく動くと、肉同士がぶつかる乾いた音がした。その中に少しずつ、ぴちゃぴちゃという水の音が混じり出す。

 初めてなのにこんなに淫らになってくれて、俺は嬉しかった。その気持ちが下半身に伝わり、俺は限界を迎える。

 さすがに中に出したらまずい、そう思って、限界に達したら体を引こうと考えていた。

 しかし、それは結果的に失敗に終わる。

 初陽が足を俺の腰に絡めてきたのだ。

 俺の腰はがっちりホールドされ、これでは肉棒を抜くことができない。どうしようかと思ったが、全身を包む快感から逃れられなくて、俺は達してしまった。

 「っ……っく、あああっ」

 肉棒を初陽の中に埋めたまま、俺は精液を放つ。

 初陽の中はそれを逃さず飲み込もうとするように、びくびくと跳ねて俺を絞った。

 

 

サンプル 終わり